新紀元社 / Shinkigensha

ファンタジー化した世界でテイマーやってます! ~狸が優秀です~ 2

ファンタジー化した世界でテイマーやってます! ~狸が優秀です~ 2

シリーズ名:モーニングスターブックス
巻数:2
著者:酒森
イラスト:珀石 碧
定価:本体1,300円(税別)
四六 324ページ
ISBN 978-4-7753-2034-1
発行年月日:2022年08月08日
在庫:在庫あり

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本の紹介

人間(俺)も“進化”できるようなんですが……しちゃう?

とにかくテイム! さらに仲間が増えました♪ どんどん増える冒険のお供に支えられつつ、自分の身にもなにやら変化が!?
植物が異常に成長し生物は魔物化、スキルやレベルが存在するようになった世界で、テイマーとして冒険を続ける中野。新たな仲間が増えるのはうれしいけれど、新たな“敵”まで現れて!? 超絶マイペースな会社員によるテイム冒険譚。

 ラックに説明をして、どれがいいか聞く。
『人妖精になりたいの! ご主人様と似た姿!』
「いや、仮に人妖精になったとしても俺の姿に似せるのは勘弁してくれ。というかゴブリンみたいにならないのか? それが心配なんだが…………」
『大丈夫なの! ゴブリンは肉体を持った妖精のなり損ないってことは生まれたときからゴブリンはゴブリンなの! 魔霊にはなれないの!』
「言われてみればそうか。魔霊や魔力塊として生まれたなら、肉体はかりそめになるんだもんな」
『初めの魔力塊のときはかりそめだったけど、たぶん今種族を決めて変態したらそれが定着すると思うの。もし次に姿を変えられるとしても、だいぶ先な気がするの』
「そうなのか?」
『進化したらなんとなくそう感じたの』
「なら慎重に選びたいところだが……。人妖精でいいのか?」
『いいの!』
「了解。その代わり俺の姿に似せるのはやめろよ?」
『頑張るの!』
そう言ったラックの光が大きくなる。大きくといってもピンポン球が野球ボールくらいにだが。
光が収まるとそこには俺と同じTシャツとジーパンを着た黒髪ロングヘアーのラックが現れた。

 そのあとはカラスのような大群には遭わなかったが、猫を見かけた。
空き地で日向ぼっこしている猫を。
「クー太?」
『なにー?』
「アレ、魔物だよな? ずいぶんとリラックスして日向ぼっこしてるが」
『魔物だねー?』
だよな。森狼のときのハクと同じくらい。二メートルサイズの猫だ。
そして俺でも知っている種類だ。黒白の縞があるし、よくテレビとかでも見かける。あれはアメリカンショートヘアだろう。サイズだけが異常……いや、俺らに気づいているのにゴロゴロ日向ぼっこしてるのも異常だが。
「テイム、するか……? 攻撃的じゃなさそうだし、仲よくなれる気がする……」
いやいや、朝出発したし、順調に行けば日が暮れるまでには着くと思うのだが、カラスのせいで
だいぶ遅れているんだ。そんな暇は……。
はい。すみません。テイムしたくなったらテイムします。我慢は体によくないからな!

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