シリーズ名:モーニングスターブックス
巻数:12
著者:時野 洋輔
イラスト:ちり
定価:本体1,200円(税別)
四六判 308ページ
ISBN 978-4-7753-1848-5
発行年月日:2020年07月20日
在庫:在庫あり
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本の紹介
滅びの運命から世界を守る!?
イチたちが到着した魔法都市マレイグルリでは、狂乱化の呪いが広がり、狂戦士となった多くの人々が暴れるという混乱した状況に陥っていた。施設から助け出したフルートの心の内を知ったイチは、教会に連れていかれた悪魔族を助けるため、呪いの元凶を突きとめるため、大切な仲間たちとともに動きだす……。
「小説家になろう」開催「ネット小説大賞」金賞受賞作、シリーズ第12巻!
「あと、これはラナさんにお土産です。安物ですけれど、よければお使いください」
俺はそう言って、これからお世話になるラナさんに、お礼として簪を渡した。
キャロに選んでもらったものだ。
安物だけれども、和服姿で髪の長いラナさんに似合うと思う。
「……これを、私にですか?」
ラナさんは簪を受け取り、じっと見詰める。
気に入ってくれたのだろうか?
「お客様から私個人への贈り物をいただいたときのマニュアル──以前、一年と十日前にお饅頭を
いただいたときは、おやつに食べていいと言われましたが、それ以外のときの命令がありません。
いったいどうすれば──」
ラナさんがぶつぶつと呟き出した。
「お前、こっちは男湯だぞ! 女湯は隣だ!」
「わかっているよ。あぁ、この前は悪いことをしたからな、背中を流しにきたんだが……寒いな」
「そ、そうか……まあ、いまは寒いから、中に入れよ」
「入るから、あまりこっちを見ないでくれよ」
「わ、悪い」
俺は慌てて背を向けた。
そういえば、こういう経験は初めてだ。
これまで、一緒にお風呂に入ったのは、多かれ少なかれ俺に好意を持っている相手だった。
しかし、フルートは違うんだよな。
彼女は俺への謝罪の意味で、背中を流しにきた。
そんな彼女の好意を無にするわけには──
そう思ったとき、背中に柔らかいふたつの感触が──これは──
「声を上げるな……」
彼女の腕が俺の首を絞めつけた。
完全に油断していた。
「なんのつもりか聞いていいか?」
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