
本の紹介
「幽霊屋敷」という言葉には、どこか古めかしいものを感じますが、どうもそれは間違っていたようです。ネットには怪談が溢れ、動画投稿サイトでは「心霊スポット」や「事故物件」をタイトルに、幽霊が出るという家屋や建物を果敢な探索者たちが取材した動画が、絶え間なく公開されています。どうも、私たちが生きているこの時代は、ブルワー=リットンが「幽霊屋敷」を書き、心霊スポットの探検が流行した19世紀半ばあたりと、あまり変わってはいないようです。
本書では、西洋怪談の古今の名作から、幽霊屋敷ものを集めてみました。一般住宅から農園付き邸宅、下宿まで、不穏な物件が揃っております。どうぞお好きなところから御内覧を。鍵は――ほら、もうお手元にありますよ。