新紀元社 / Shinkigensha

異世界の常識は難しい~希少で最弱な人族に転生したけど物理以外で最強になりそうです~2

異世界の常識は難しい~希少で最弱な人族に転生したけど物理以外で最強になりそうです~2

シリーズ名:モーニングスターブックス
巻数:2
著者:つぶ餡
イラスト:北沢 きょう
定価:本体1,300円(税別)
四六 324ページ
ISBN 978-4-7753-2097-6
発行年月日:2024年02月20日
在庫:在庫あり

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本の紹介

無自覚な最強幼児、最強の兄に見守られながら今日も元気に無双中!
異世界ほのぼの成長譚、待望の第2巻!

 獣の姿にもなれる獣耳&尻尾ありの人型獣族の者たちが大多数を占める世界に前世の記憶を残したまま転生し、ピアニーと名付けられた主人公。獣族に比べたらあまりに脆弱な人族として生まれたため、周囲(特に兄のオーキッド)からあふれすぎるほどの愛情を注がれて日々すくすくと成長中なのだが、こちらの世界は前世の常識が通用せずに驚くことばかり! ところが、人族特有のチートな能力と周囲の者には想定外の言動で、ピアニーこそ常識外れな存在になっていて……。
そんなある日、オーキッドが学校の野営訓練で外泊することに。大好きな兄がいない初めての夜、ピアニーがとった”常識外れ”な行動で野営訓練は大パニック!?
冒険者ギルドマスターの不運(!?)を描いた特別書き下ろしも収録!

 

 

 毎日の木琴での筋肉トレーニングとデッサンでのイメージトレーニングのお陰で、ついに自分の鳩尾がキラキラ光った。
「にーしゃん! ぶき ちゅくれる しゅる かも!」
「え? ピアニー、自分の武器が作れそうなの?」
「ちょーなの! にーしゃん ちゅくる しゅる みる ちて とーしゃん も かーしゃんも みる ちて」
 自分の武器が作れるようになったのだ。大興奮しながら、今から生成するので見て欲しいと家族に伝える。
 七色の実の報酬のお陰で、自分のアイテムボックスにはわりとたくさんの素材があるので、素材不足にはならないだろう。
 エメラルド、ルビー、サファイヤ等の鉱物。プラチナ、金、オリハルコンなど、なんだか素材がやたら煌びやかな気がするが大丈夫だろうか。
 恐竜のイメージを頭の中で最大限膨らませながら、素材を自分の鳩尾あたりに入れていく。
 そしてとても期待しながら自分の鳩尾から武器を取り出す。
「………………」
 指揮棒より少し長い杖のような物が出てきたが、木素材ではなく棒の部分がどう見てもほぼ宝石でできている。
 トランスフォーム要素はどこにもない。それどころか超合金でもない。
 プラチナや金は蔦のような装飾に使われており、オリハルコンは持ち手の部分に使われていた。そこ以外の棒部分は全て宝石でできていて、よく見るとプラチナや金で魔法陣が描かれている。
「凄く綺麗なワンドだね」
「わゆい もの が でた」
 期待していた武器がこのような物─少し長い煌びやかな装飾の指揮棒─になってしまったのは、筋肉強化のため毎日木琴で鍛錬をしていた影響だろうか? 頑張って鍛えていただけにショックでならない。
「えぇぇ。悪くないよ、ワンドだよ?」
 ワンドやスタッフ、ロッド等を使うと魔力の練りが通常よりスムーズにできたり、物を浮かせることや炎や水を欲しいところに的確に操作できたりと、主に魔力補助にはとても良いらしい。
 つまり魔法が使いやすくなるということだろう。
 家族は凄く素敵なものだと喜んでくれたのだが、自分は全然嬉しくない。
 とても残念な気持ちでいたのだが、ふと思いついたのだ。
 魔法が使いやすい=魔法使い。
 もしかしたらもしかするかもしれない。
 これは試してみる価値があるだろう。
「へ ん し ん!」
 ナニも起こらない。
 ワンドを持って唱えるだけだと駄目なのだろうか?
 やはり決めポーズを取りながら唱えるべきかと思い再度試してみる。
 決めポーズがあってなかったのか、今度もナニも起こらなかった。
 しかし自分の予想だと、なにかヒーローに変身できるはずなのだ。もっといろいろなポージングを試してみよう。自分の全ての力を出してジャンプしながら唱えてみたり、ワンドを高々と掲げながら唱えてみたり、両手を突きだしてグルグルと回しながら唱えてみたりしたのだが、ことごとく失敗に終わる。
 変身というのはテレビで見ると簡単にしているが、本来は一朝一夕にできることではないのかもしれない。
 変身するためにはやはり鍛錬が必要だ。
 今まで寝る前にオーキッドの尻尾を満足いくまで梳かすことをルーティンとして欠かさずしてきたのだが、今日から新たにルーティンを増やすことに決めたのだった。
「へ ん し ん !」
 いつかきっと変身できると信じて、いろいろなポージングを試していこう。そして、いざというときに威力を出せるようこの技も毎日のルーティンとして鍛錬する。
「めぴょうのぽーじゅ!」
 両方ともビシッと決まった!

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